KTW博物館

KTWが今まで作った作品で現在生産していない銃をここで紹介します。


スパス12
1989年発売。KTWがメーカーとして世に出た時の最初の作品でした。フルサイズのスパス12が最初で、これは1発発射のライフルタイプ(Lモデル)でした。後に4発同時発射のSLモデルに変わり、このSLモデルはさらに3発同時発射に替わって最終機構になりました。この機構でモデルは、メタルストックをはずして銃身を短くしたSモデルになります。そしてFⅠEストックを付けたFモデルと続きました。Fモデルにはスコープ搭載のスラッグ・スパス(1発発射)というのも限定発売されました。メタルストックの金型は、その後発売されたドンサン社製Newスパス12用のストックとして活用しました。
¥68,000  (消費税抜きの当時の価格、以下同)。


L96A1
マルコム・ダグラス・クーパーという天才シューター(オリンピック・世界選手権の金メダリスト)が興したアキュラシー・インターナショナル社が作った世界一の狙撃銃です。308口径で800mを狙撃できる軍用銃はこれ以外にはありません(フィンランド・ラプア社特注ニトロ弾使用)。英軍制式採用。1990年、KTWは英国ポーツマス市のアキュラシー・インターナショナル社を訪ね、L96A1のエアガンとしてのモデルアップの契約をしました。完成するまでに2年もかかり、KTWが最も苦労した作品でした。
¥136,000  350挺限定。


M79ランチャー
1995年発売。今までにない特殊な機構、つまり写真を見ればわかるように、テコを利用してコッキングするスプリング式空気銃方式だったため、ASGKの認定がなかなかおりず苦労しました。ピストンが前進しないで後退して、それでいて弾が前に出るという、画期的であり、またとんでもない発想のエアーコッキングガンでした。
¥49,000   700挺限定


イサカM37ライアット
1997年発売。最初に出したのがフェザーライトでした。次がソウドオフ、そして最後が写真にあるライアットでした。ライアットは、ターミネーターで使われましたね。
このメカニズムは現在発売中のドンサン社製Newイサカに生きています。

ITHACA M37 FeatherLight ¥65,000
Sawed-Off ¥55,000
Riot ¥68,500


Newスパス12(旧名スパス・ジュニア)
アームズマガジンO編集長から「KTWスパスのニセ物が出てますよ」との連絡から話は始まります。調べてもらうと、韓国のエアガンメーカーのドンサン社が造っているとのこと。そこで、アームズと提携している韓国の軍事月刊誌「プラトーン」の編集長に人を通して連絡をとり、ドンサンとKTWを引き合わせてくれるよう頼みました。結果、OKの返事で、KTWは単身ソウルへ飛び、ドンサン社社長と対峙することになりました。このとき、KTWは「わが社の製品をマネしてくれてありがとう」と言いました。クレームではなく感謝の意を存分に伝えたのです。日本で一番小さいエアガンメーカーが、マネされるぐらいになったことが、本当にうれしかったのです。このときから、ドンサン社とKTWは共に協力しあう関係を構築したのでした。
1998年9月発売。  ¥13,800


F.I.E.スパスカスタム・ロング(上)
KTW・FIEスパス(Fタイプスパス、¥62,000)に、ドンサン社製Newスパス12を合体させたモデルです。リアサイトを上下左右調整可のオープンタイプにし、精密インナーバレルを軸としたバレルAssyはすべて金属の削りだし製という高級モデルで、そのわりには破格の安さでした。しかし、これより圧倒的に安いNewスパスカスタム(¥12,800)の登場により、製造中止となりました。命中精度の良さは折り紙付きでした。¥22,000。

F.I.E.スパスカスタム・ショート(下)
銃身長がロングより80㎜短いモデルでした。¥19,800。


リー・エンフィールドNo.4ライフル
2001年、英国においてエンフィールドNo.4ライフルの新品パーツが倉庫から約100挺出てきたという情報があり、これを輸入できないかと考えました。実銃はパーツであっても輸入できないのが今の法律です。そこで、無可動銃にして合法的に輸入することにしました。輸入後、銃身・機関部を破棄し(輸入業者自宅の鉄柵となったとか・・)、そこにL96A1のメカニズムを入れてエアーコッキングガンとして完成したものがこれでした。大変なコストがかかり、もう二度と出来ない貴重品です。
¥168,000   100挺限定


ウィンチェスターM73ゴールドモデル
キャラホビ2004に出展したとき、100挺限定で販売しようとしました。結果は惨敗でした。その後、問屋さんに全部買い取ってもらいました。アメリカンウォールナットのオイル仕上げストックを使用し、レシーバー部とバットプレート、リングが24金メッキしてあり、これで¥39,800という破格の安さでした。直売だからこその値段であり、これで流通に出すと大赤字になるため、残念ながら打ち止めとなりました。


九九式短小銃
2007年3月、(株)タナカさんが九九式短小銃をガスガンで発売する発表をしました。他社と競合しない製品造りが基本の弊社ですので、この九九式は博物館入りとなりました。

2003年7月発売。¥108,000。200挺限定。


ワルサーP99
1999年、台湾のY&P社製品と初めて出会い、輸入したのがこれでした。モナカではないフレーム、ショート・リコイルするバレル、ライブのスライドストップと、この当時は画期的なエアーコッキング・ハンドガンでした。
¥3,100。

シグSP2340
P99の次にY&Pで製造されました。2001年発売。P99同様、作動は実銃通りです。これに加え、スライドストップを抜くと実銃とまったく同じに分解できました。P99同様、made in taiwanと明記し、製造国表示をはっきりさせました。
¥3,100。



スプリングフィールドM1903A3
スプリングフィールドはエンフィールドの次にすぐにかかるつもりでしたが、台湾の提携先からの情報で、M1903はプラ・ストック仕様の台湾製をかつて台湾軍が使用していて、パーツの型やパーツそのものが現存するとのこと。
そこで、木製ストック以外を台湾に任せて造ってもらったのがこれでした。KTW初の全金属製となりました。

2005年10月発売。¥118,000。200挺限定。


九九式狙撃銃
九九式短小銃を発売した後、狙撃銃にモデルチェンジするため旧日本軍のスコープを造ってくれる所をずっと探していました。これがようやく韓国でみつかったのです。タスコの下請けをしている小さな会社でしたが、ここなら出来ると思いました。因縁でしょうか、場所が仁川造兵廠跡地の片隅にあったからです。レティクルの独特な目盛りを正確に再現してくれましたが、その後、タスコの廃業と共に仕事をやめてしまい、九九式狙撃銃の生産も終了となりました。

2005年10月発売。¥138,000。200挺限定。


モシン・ナガン狙撃銃

モシン・ナガンM1891/30(歩兵銃) PE狙撃銃仕様

モシン・ナガン騎兵銃 PE狙撃銃仕様

モシン・ナガンの狙撃銃はPUスコープが19世紀の遺物のようなもので、近代スコープの業界では逆に再現するのが難しくなってしまいました。 PEスコープ狙撃銃は近代スコープを使用するため再現は可能でしたが、H29年にモシン・ナガン用マウントベースを金型生産し、PEスコープ・タイプを新たにモシン・ナガン狙撃銃(改)としてH30年より発売したため、PUと従来のPE2種の計3種の狙撃銃が生産を終了することになりました。


ウィンチェスターM1873カービン
2003年に発売のM1873カービンは、独特のシルバー色のスチール風メッキで15年もの間みなさんに支持されつづけたのですが、やはりM1873はガンブルーの黒色でなければとの要望が多く、黒色(黒染め)にモデルチェンジすることになりました。 M1873は韓国のドンサンモデル(2018年より社名はホビードンサンに変更)で造られていることはみなさん御存知のとおりですが、韓国は日本のようにモデルガンから始まった歴史がなく、黒染めの業者がいません。 そんなわけで黒染めを日本でやることになって、そうなれば黒染め前の下処理(バリ取りやバフがけ)から、黒染め後の組み立てまですべてKTWでやることになり、従来のM1873カービンの製造は終了しました。


ウィンチェスターM1873カービン・カスタム
2015年3月発売(¥52,500)のカービン・カスタムです。 M1873は、カービン、ライフル、ランダルとすべてが黒染め仕様になり、メッキ仕様のこのカスタムは生産を終了しました。


スペンサー・カービン

 2013年の大河ドラマ「八重の桜」にスペンサー銃が登場することを知って200挺限定で作ることになり、いろいろな方々に協力していただきました。しかし、完成したのが大河ドラマが終わった翌年の2014年でした。結果、完売するのにその後、数年かかり苦労しました。ただ、作品としては最も優れたものの1つに上げられます。

 


九六式軽機関銃

 2008年、開発の過程を「九六式軽機関銃ができるまで」というコーナーを作ってHPで公開し、2009年に完成したKTWで最大のスケールの作品でした。しかし、電動系の供給の問題も含めた諸事情により残念ながら生産を終了しました。総生産数は185挺。


九九式軽機関銃

 九六式軽機関銃の翌2010年に発売し、総生産数は149挺でした。


イサカM37・ライアット・フルメタル

 2013年に発売した全金属製モデルです。1発2発の切り替えがない単発発射のモデルでした。

 2023年、1発2発切り替え発射タイプのイサカM37フェザーライト全金属モデルが発売となり、ライアット・ソウドオフと共にこのモデルの生産は終了しました。


次の殿堂入り作品は何でしょう。